91回目!

2021.8.7 本日の稽古を終わりにします。

 

「そう見えるよね」の話。

 

今回は「そう見えるよね」のお話です。

視点ですよね、見え方。

自分とそうじゃないってそうなりますよね。ってお話です。

 

言うてしまえば、経験があるかないかの話。

 

私自身、子育て真っ最中。

子供たちも一緒に空手をやってくれています。

 

ですので、今通っているお子さんたちの稽古に対する姿勢に関して、保護者の皆さんが思うようなところは一通り理解しているつもりです。

 

とういうか、経験者ですからね。

 

「ちゃんとやらない!!」とか。

 

「並べない!!」とか。

 

「話を聞いてない!!」とか。

 

「言われた通りに動けてない!!!!!」とか。

 

「落ち着きない」とか。

 

「なんか、ふらふらしてる!」とかとか。

 

「なんでちゃんとしないの、できないの!!!!」って、思う保護者の方がほとんどかな。

 

そう思いますよ、実際。

 

「空手に通いたい」、「通わせたい」って思って今この場にいますからね。

ちゃんとせいよ!って、思わない方がおかしいです。

 

むしろ、その考え方は保護者の観点からは至って普通です。

 

だって、大人ですもん。

 

何をしなくちゃいけないか、何を言われているのか、どうしたら良いのか。これは私自身が、子供たちに指示を与えています。

 

今は~をする時間だよ、ほら○○○をやるんだよ!って話していますから、聞いている保護者はばっちり聞こえて、理解しています。

 

そう、理解しているのです。

大人だから。

 

じゃあ、子供は?って話です。

 

そもそも、子供は発展途上。

 

おおよそ完成した大人と違って、理解をするまでに時間がかかります。

 

何を言われているのか、どうするべきか、何をしているのかなどの多くの情報を統合し、理解へと至るまでの過程は本当に身につくまで時間が必要です。

 

そして、集中力が極めて低い。

 

これはよほどの鍛錬がない限り、そうそう集中力は続きません。

 

周りがうるさい、暑い、疲れた、やりたくないなどなど集中力が切れる場面は沢山あります。

そんな中、1時間の稽古を続けていられるだけですごい事なのです。

 

大人もやってみたらわかりますが、結構稽古を1時間隅から隅まで集中して過ごすというのは大変です。

 

私自身、空手を始める前は「ちゃんとやれよー」派でした。

せっかく子供たちに言うのならば、ちゃんとした稽古を「やってみよう」という事で、始めたのがきっかけです。

 

その結果、今こうしてこの場に至ります。

 

言えることは一つです。

 

「今はまだゆっくりと見守ってほしい。」です。

 

当道場では空手を通じて子供たちが成長する機会を得ています。

その成長は、一朝一夕では得られません。

 

簡単ではない年月を経て、少しずつでも着実に一歩ずつ成長してきています。

 

その子によって成長の度合いは異なります。

明日の成長はぐーんと変わることなんて、ざらにあると思います。

 

ましてや、わが子なら尚更。

 

でも、少し振り返ってみてください。

最初に稽古に参加した日の事を。

 

何もわからずに泣いていた子、中段突きが出来ずに困っていた子。

型が何なのかわからずに動けなくなっていた子。

 

さて、今はどうでしょうか。

 

きっと、世界は違いますよね。

 

鈍足も立派な速度です。

1と0は全く違います。

 

1を重ねている人は0とは違います。

 

今日の稽古では、多くの道場生の成長を目の当たりにしました。

ちょっと泣きそうでした。

 

出した指示を明確に受け取れるようになった帯上の子。

 

小さい子を促しながら稽古に励める子。

 

輪には入らずとも、自分の世界の中でしっかりと稽古を積んだ子。

 

できなかった輪の中に入り、たどたどしく稽古をする子。

 

こんな成長を目の当たりにしたら、もう嬉しくてたまりません。

こういった、成長をみさせて頂けるなんてありがたい!!!!

 

まぁ、保護者の視点では「なにやってんだよ!!」なんですけどね。

もうちょっとが何年かかるかはわかりません。

 

正直自分の子供たちに対しても「ちゃんとやれや」感はあります。

でも、端から見ると「ちゃんとしていて、すごい」です。

 

待ちましょう。

 

待てば変わっていく様子が、成長していく様子が見えるはずです。

 

今日は精神論ばっかりで、たまにはこういった誰かを鼓舞する話もよろしいかと。

ちなみに、自分は自分の子供たちが居ると稽古の安心感があるので助かっています。

 

成長って、ほんとふと気付くんですよね。

 

やっぱり、待ちましょう。